遺書

私の言葉はもう耳に入らないことは解っているので、いまさらどうこう言うつもりはありません。ただ将来を考えるのなら、あなたの選択できる道はあまりたくさんありません。

貴方は大人から脅されていろんなことを、無理やりやらされていると思っているようですが、それは違います。なぜなら、あなたが今やっていることで、それをやりなさいと言っている、大人の得になることが1つでもありますか?なぜそんなことを、恨まれ、憎まれ、嫌われてする必要があると思うのですか?

学校の先生は、面倒くさかったらほったらかしておけばいいのです。それをしないのはあなたの将来を思えばこそです。

貴方は私に、自分の事をわかってほしくないし、わかられたくもないと言いましたね。

だから私はあなたを理解しようとするのをやめ、少しでも健康に、いつかあなたが「このままじゃまずい。」と思ったときに間に合うように無理やりにでも勉強するようにしてきました。

貴方は2年生に進級しても登校するつもりはないようですが、この前先生が言っていたように、受験はテストと内申書の2本立てです。もしあなたが高校に行きたいと思っているのなら、もう週に何回かでも登校するしかないのだということに気づいていますか?

そうすることが難しいと感じているのなら、高校以外の選択肢を考えないといけない時期がもう来ていることに気づいていますか?

あなたにとって耳にタコの事がもうすでに目の前に来て、のんびり構えていることではないことが理解できていますか?

 

それをすべて理解したうえで、あなたの方から大人の協力の手を放してしまっていいんですか?

 

時間なんてあっという間に過ぎていくのです。

私自身も後悔だらけの人生を送ってきました。こういう試練も仕方がないと思えるほどに。

両親にたくさん迷惑をかけました。だから私が泣くのは仕方がないことですが、どうか自分自身を見失わないで生きてください。そして一つだけお願いがあります。おばあちゃんを悲しませることだけはしないでください。

これ以上私たちの事で悲しませたくないのです。お願いします。

 

私の存在は、うっとうしいだろうと思いますが、おっさん犬とおばあちゃんを最後まで

看ることが、私がこの世に存在する理由です。

どうかそれまで待ってください。

 

どうかそれまで、私の前から消えないでください。